2018.01.5

新聞印刷の老舗企業で、世界中のIT企業が注目するインド工科大学留学生を受け入れ

英語を話せなくても、Google翻訳片手にまずはコミュニケーションをしてみる

東日印刷株式会社さん (印刷業)
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創業65年以上の歴史を誇る東日印刷株式会社は、毎日新聞グループに所属する日本最大級の新聞印刷会社です。新聞以外の領域を含めた新規事業に取り組む中で、世界中のIT企業から注目されているインド工科大学のインターン生を受け入れることとなり、英語学習を始める社員も出てきています。誰も英語を話さず外国人社員もいない、グローバル化とは縁の薄かった東日印刷株式会社様が、どのように外国人学生をインターンとして受け入れ、なぜ英語学習に取り組み始めたのか、総合企画室次長 岩本好司様とシステム技術室 副主査 土橋勇樹様にお話を伺いました。

日本最大級の新聞印刷会社が、新たな種まきのため新規事業に挑戦

東日印刷株式会社は、創業65年以上の歴史を誇る新聞印刷会社です。毎日新聞グループの企業であり、1日300万部の新聞を印刷して世に送り出しています。江東区の本社工場には12セット、川崎市の川崎工場には2セットの新聞輪転機を保有しており、これは日本最大級の設備です。
しかしながら、新聞の発行部数は10数年前をピークに、右肩下がりの状況が続いています。こういった現状を脱却するためにも、新規事業をやろう!という気運が生まれ、2014年7月に新しく新規事業グループが作られました。この中で行った新規事業の1つが、Web制作チームの結成です。Webなら新聞と親和性があるし、需要もある分野です。昔からのお取引先様とのコミュニケーションも大事にしながら仕事を進められる部隊にしたかったため、社内でWebサイト制作ができる者を養成することにしました。そして、選抜したWeb制作未経験のメンバーにはWeb制作のスクールに通ってもらうことにしたのです。現在は、スクールで技術を身に付けた者たちが、自社サイトや毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社などグループ企業のWebサイトリニューアルを含めたさまざまな案件に携わっています。

PIITsプロジェクトでインドの大学生のインターン受け入れを実施

その他に、新たに取り組んでいるのが、PIITsプロジェクトへの参加です。通っていたWeb制作スクールのグループ会社が手掛けているプロジェクトで、インド工科大学の学生を2ヶ月間日本企業にインターンとして受け入れるという趣旨のものでした。詳しく聞くと、インド工科大学は入学試験において東京大学の何十倍もの倍率になる難関大学であり、その中でも上位10%の超優秀層であるコンピューターサイエンス専攻の学生と、彼らの就職活動期間中より前に接点を持つことができるというもの。能力の高いインドの学生たちに対して非常に興味があったため、国内第一号の受け入れ企業として彼らをインターンに迎えることを決めました。
ただ、社内からすぐには理解を得られませんでした。なんといっても、昔ながらの会社であり、英語を使う機会は皆無。外国人社員もいない、グローバルという言葉とはまったく無縁の会社だったからです。

そこで、まずはインターン生を受け入れることで解決できる社内の課題が無いか、聞き込みをしました。すると、「スケジューラーを変えたい」という声が上がっていることを知りました。当時は、社内サーバーを利用したフリーソフトのスケジューラーを使っていたのですが、営業メンバーを中心に「外出先からもスケジュールが確認できるものに変えてほしい」というリクエストがっていたのです。それを聞いて、インド工科大学から来るインターン生に任せてみないかと提案しました。「インターン期間の2ヶ月では厳しいのではないか」や「そもそも私たちは英語が話せないからコミュニケーションすら取れない」といったことも言われましたが、試してみると、インターン期間の2ヶ月間でスケジューラーを構築してもらうことができたのです。

話せなくても、Google翻訳片手に積極的にコミュニケーションをとる

インターン受け入れ中は、こちらが英語を話せないためGoogle翻訳を使いながらコミュニケーションをとっていきました。また、スケジューラーを開発するときのやりとりも独特でした。普通、企業にシステム開発を依頼する場合は、要件定義をして書面を提出するところから始めますが、今回は時間も無く、インド工科大学から来たインターン生に制作してもらうという特殊な状況だったため、横に座って「こういったものを作ってほしい」「このボタンを押すと、こうして動くようにしてほしい」などのリクエストを随時伝えながら構築していったのです。

インターン生からは、さまざまな発見をもらいました。一緒に食堂へ行くと、ベジタリアンの方が「これは何?あれは何?」と食事に入っている材料について質問してくるんです。そのたびに急いでGoogle翻訳で調べて、答えての繰り返し。「大根は英語で何て言うんだっけ?」と5回くらい調べました(笑)。あとは、休日に浅草観光などに連れて行くと、お寺にある「卍」がインドの宗教の何かの印と共通していたようで、何かと聞かれましたね。そのときに、彼らと会話するには英語力はもちろんのこと、日本の文化や歴史についても知っておく必要があるということを感じました。

インターン生が社員に より深い議論をするためにも英語学習を開始

去年、今年とインターン生を受け入れる中で、なんと去年インターンをしてくれた学生が社員として就職してくれることになりました。短いインターン期間ならGoogle翻訳を片手にどうにか乗り切れるけれど、これから一緒に働いて議論する場面なども増えるとなると、英語力の向上は必須です。そこで、まずはインターンの受け入れを管轄している私たちからレアジョブ英会話で英語学習に取り組むことにしました。また、社員を受け入れるにあたってさまざまな手続きが必要になる総務・人事のメンバーにもお願いしてレアジョブ英会話を受けてもらっています。


レッスンを受けるのに使用しているお部屋。レッスン中はこの紙を掲示


ちょうど受講されていた社員の方

レアジョブ英会話を選んだのは、PIITsプロジェクトでも提携させていただいているからです。インド工科大学のインターン生を受け入れてくれる企業では、受け入れる前に英語力を身に付けたいと思う企業も多いため、提携しているレアジョブ英会話から、受け入れ前の英語レッスンを提供してもらっています。

近い将来に迎えるグローバル化の準備は早い方がいい

今受講しているメンバーは、私たちを含めてまったく英語に無縁だったメンバーばかりです。ハロウィンのときに言う「Trick or Treat」もわからないくらいだったので(笑)。けれど、今は「この機会を逃したら一生英語を話せない!」という気持ちで、チャンスだと思って取り組んでいます。レアジョブ英会話のレッスンでは、毎回違う先生を選んで、自分の仕事内容、今関わっているPIITsプロジェクトについての説明を練習するメンバーもいれば、お気に入りの先生を見つけて受講している者もいます。
レアジョブ英会話以外には、「i Know!」という単語やフレーズを覚えるアプリを使ったり、中学英語の参考書で文法を覚えたりしています。学生の頃は、英文法について習っていてもまったく内容が頭に入ってこなかったのに、レアジョブ英会話のレッスンを受講して英語を話す機会が増えてきた中で改めて文法について学ぶと、内容が理解できるようになってきました。
自社に優秀な学生のインターンを受け入れてみたい、という思いから参加したPIITsプロジェクトですが、彼らの優秀さを目の当たりにしたことで、現在では国内第一号のインターン受け入れ・社員採用企業として、他の企業にもこのプロジェクトが広まればという思いからプロモーション領域の支援を行っています。

私たちも英語やグローバル化とは無縁の企業でしたが、きっと近い未来には外国人と働くことや、業務の中で英語を使うことがどんどん当たり前になってくるでしょう。それなら、少しでも早く環境を整えて準備を進めた方がいいですよね。


岩本様(左)と土橋様(右)

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