システムインテグレーション業界で、システムエンジニアとして働く能勢康宏さん。社会人になってからバックパッカーとしてインドを訪れたのをきっかけに、レアジョブ英会話のレッスンをスタート。レッスン受講を重ねに重ね、休暇のたびにバックパッカーとして海外に出かける能勢さんは、それがきっかけで、海外研修や英語が必須の部署に異動になったと言います。そんな能勢さんの英語ヒストリーにじっくり耳を傾けると、どうやらインドがキーになっているようです。
学生時代はインド人とlanguage exchange
大学院ではゼミが海外との交流を積極的にしていました。カナダと共同研究をしたり、週一で英語の論文を読んで発表したり、自分で書いた英語の論文を海外で発表することも。英語に触れる機会は多かったですね。情報系で、最近ではIOTと呼ばれる分野の研究をしていたのですが、当時は日本ではあまり研究が盛んではなかったので、進んでいたアメリカの資料を読むのにも、英語がどうしても必要でした。辞書と格闘し、半分嫌々やっていました(笑)。もちろん、新しい知識が得られる楽しさもありましたよ。
ゼミとは別に大学の取り組みで、日本人の学生が外国人留学生に日本語を、外国人留学生が日本人に英語を教えあう、ランゲージエクスチェンジのようなプログラムがあったんです。インド人とペアになって英語を教わりました。週1回、半年ほどやったかな。それが「英語で話すのって楽しい!」と思うきっかけでした。相手のインド人は、一緒にインド料理食べたら「ぜんぜん辛くない!」って不満そうだったり(笑)。ちなみに彼とは最近Facebookでまたつながって、ムンバイにいることがわかりました。こうやって繋がれるのは、英語のお陰ですね。
社会人1年目に休暇でインドへ
新卒採用で今の会社に就職した当初は、とにかく仕事が忙しくて英語を勉強する時間もとれず、英語熱も一旦かなりトーンダウンしました。ただ、1年目の終わりに貯金ができ、長めの休みも取れるようになったとき、なぜかバックパッカーになりたいと思いたち、インドに行ったんです。現地では、学生時代の蓄積でそれなりに英語でのコミュニケーションは取れました。何より現地の人とのやりとりが楽しくて、英語で話す楽しさを再認識しました。もっと英語をやるぞという気持ちが急上昇して、帰国してすぐレアジョブ英会話を始めたんです。2011年の春のことです。
レッスンの受講が1800回を超えた今となっては懐かしいくらいですが、最初は緊張しっぱなしでした。レッスン中、無意識に「えっと」とか言ってしまっていて、先生に注意されたりして。でも、続けているうちにだんだん楽しくなっていきました。お酒を飲みながらレッスンをやることも。それも楽しさというか、続けるモチベーションになりました。無理なく続けるには大事なことです。
今やもう英語を学んでいる感覚はないですね。友達と話しているような気分です。だからなのか、最近英語的には伸び悩んでいる気もします。でも、リラックス、リフレッシュのためにやっているので伸び悩んでブルーになる、ということはありません。
バックパックの旅が仕事の励み
インドでバックパッカーにハマって以来、年4回ほどのペースで海外に行っています。去年はエチオピア、アルゼンチン、ベトナム、ウルグアイに行きました。現地の人と交流し、生活を体験できるのが醍醐味です。一人で行くことも多いです。次なるバックパックの旅を楽しみに、仕事をがんばるという部分もありますね。
見ず知らずの人に英語で話しかけるのは、恥ずかしいけれど、好奇心がまさっちゃうというか、興味がわいたらどうしても聞きたくなってしまうんです。「この建物はなんだ?」「あの食べ物はうまいか?」って。
そうしてバックパッカーばかりしていたら「旅ばっかりしているやつがいる」「英語もそこそこイケル」と社内で噂されるようになりました。そのころ、上司との面談で「旅行ばかりしています。英語はそこそこです。オンライン英会話をやっています」という話をしました。3年前のことです。そのおかげでインドの研修に2カ月ほど参加させてもらえることになったんです。現地のインド人とペアでプログラミングをするなど、一緒に仕事をしました。楽しい経験でしたし、気づきも多かったです。まず彼らは優秀。そして、性格は日本人と全然違う。自分の主張はしっかりするし、とても楽観的です。
ショックだったこともありました。「インド人にとって日本人と仕事をするのは修行のようだ」と言われたんです。細かいし、否定ばかりするし、やる気がなくなってしまうと。正しい部分もあるけれど、やっぱり修行だって。インド研修に行った3年前は、日本人とは一緒に働きたくない、日本人抜きでやりたいという意見ばかり。これはやばい、日本が取り残されると思いました。
長期出張で数カ国に滞在し「違うものは違う」ことを実感
大きな課題が見つかり日本に戻ったわけですが、毎日の仕事で実際は、その課題も忘れかけていました。そうして2015年末に海外連携をする部署に異動になりました。昨年は、スペイン、イギリス、フランスに長期出張もしてきました。また、アメリカ人との連携もあり、普段も英語をよく使います。英語のメール、電話会議もかなりあります。また、英語じゃないと最新情報がとれないので、英語のセミナー動画を見る、IT文献を英語で読むといったことも日課なので、仕事の半分は英語ですね。
実はインドに研修に行ったときは、彼らが日本のよさをわかっていないのだと思い込んでいました。ですが、昨年ほかの国々を回ったことで、違うことは当たり前だと気づいたんです。おのおの違うのだから、まず違いを受け入れ、尊重する。そして、妥協点を見つけていく。こちらの考えやルールを一方的に押し付けるだけでは先に進みません。どれがいい、日本が正しいといった話ではなく、違うものは違うのだという事実を肌で感じとれたことが、長期出張の大きな収穫でした。
今後も押し付けず、譲歩もしていこうとする一方で、日本独自のすばらしさは積極的に伝えていけたらと思っています。ITでも独自の文化がありますし、ビジネス習慣や文化面でのよさもある。「日本人は間違いない」と海外の人から言ってもらえる部分は猛アピールしていきたいですね。
英語は自然に体が覚えるのを待つ
レアジョブ英会話のレッスンに関しては、予習復習はしていません。覚えようとすると負担になりますから。がんばって暗記したつもりでも、忘れてしまうので、最初からやらないんです。自然に体が覚えるのを待つというのかな。だから覚えてなかったと落ち込むこともありません。よく使う表現は、そのうちぽっと出てくるようになる。レッスンの回数を重ねて、そういった余裕が出てきたように感じています。これからもゆるく長く続けていきます。
——ありがとうございました。
英語ヒストリーを終始楽しそうに、笑顔いっぱいに話してくれた能勢さん。好きな英語のフレーズは、ベンジャミン・フランクリンが言ったという、The used key is always bright.(使われているキーは、常に輝いている)と最後に教えてくれました。プライベート、仕事の両方で海外を訪れ、現地の人たちとの対話を絶やさない能勢さんこそ、ピッカピカのキーの持ち主なのでは、そんなふうに素直に心から思えるインタビューでした。