ITエンジニアの新しい働き方を提案する株式会社PE-BANK様は、フリーランスエンジニアのグローバル活躍支援を目的に、2016年10月に英会話教育プログラムとしてレアジョブ英会話を導入しました。同社所属フリーランスエンジニア鎌倉正也さんは、それらを利用して英語学習に注力しています。そのわけとは?
英語は切り捨て、技術力を極めることに決めていた
学生時代、5科目の中で一番苦手だったのは英語。そんな私は、2010年に大学を卒業し、SIerの会社でエンジニアとしてのキャリアをスタートしました。エンジニアになってからも英語は避けて仕事をしていこう、英語ができなくてもとりあえず仕事があるからがんばらなくてもいい。一旦英語は切り捨てて、技術力を伸ばしていくことに決めていたのです。
就職して3年目の頃、技術力を磨くために参加していた社外のエンジニア勉強会で、フリーランスのエンジニアと出会ったことをきっかけに、自分のやりたい仕事でよりコミットする働き方に魅力を感じ、フリーランスエンジニアへと転身。
しかし、フリーランスとして個の力がより求められていくにつれて、英語もできるエンジニアのみなさんの方が知識量もはるかに多く、比例してスキルも高いことに気づきました。
また、自分自身のスキルも上がっていく中で、日本語だけを使って情報収集することに限界を感じ、物足りなくなってきました。そこでまずは、英語を読む力を身につけることにしたのです。
最初のゴールは「英語コンプレックスを無くすこと」
最初の頃は、海外のサイトを見るのにも、単語をつなげれば何となく理解できる気がしていました。ただそれは勘違いで、内容もほとんど理解できていませんでしたし、英語の文法も全部忘れていました。
そこで、やはりちゃんと英語を勉強しようと決意し、まずは中学生レベルの文法書「Forest」を買ってきて、3回繰り返して読みました。仕事の間の昼休みに、昼食を早めに食べた後、残りの時間はカフェで約10ページ、1章分を読むようにすると、ちょうど1か月ぐらいで1冊読み終わります。完全に自己流ですが、英語の技術記事を読んでいても圧倒的に理解度が深まった実感もあり、今でも定期的に熟読するようにしています。
文法書で勉強を始めたのが2015年の末。そして私は、2016年の目標を「英語コンプレックスをなくそう!」に決めました。
ただ、最初の頃はあまり集中して取り組めたわけではなかったため、このままだらだらやっていても英語力は伸びないと思い、4月からTOEICを受けはじめたんです。勉強した結果、自分がどれくらいできるようになったか。その成果を知る目的で活用しています。
はじめて受けたときは、450点からスタート。その後のゴールデンウィークは全部英語の勉強にあて、5月は590点まで伸びました。ただ、7月は一度伸び悩んだのでまたアクセルをかけ、9月に660点を達成しました。順調にスコアを伸ばすにつれて英語を読む力は上がってきていますし、当初目標としていた英語への苦手意識もだいぶなくなりました。今でも、モチベーション維持のために2ヶ月おきにTOEICを受けることにしています。
優秀な海外エンジニアと話したい
しかし、最近は読解力だけではなく、会話力の必要性も感じてきました。
以前私はベトナムのオフショア開発プロジェクトに携わっていたことがあり、何度も現地へ足を運びました。仕事上では通訳が付いたので問題はありませんでしたが、飲み会やランチなどのときに現地のエンジニアと話す機会があっても、「Hello」しか言えずにほとんどコミュニケーションが取れませんでした。
一方、日本から一緒に来ていたメンバーは英語ができ、現地の優秀なエンジニアたちとの交流や、技術に関する情報交換を積極的に行い、その機会をうまく活用していました。そのような姿を見て、技術書を読めるようになるだけではなく、情報のインプットや一緒に働くパートナーとコミュニケーションを取るためにも、英会話力の必要性を強く感じるようになったのです。
その頃、ちょうどPE-BANKの福利厚生のプログラムとして導入されていた「レアジョブ英会話」をはじめました。夜遅い時間でも自宅でできるので、仕事が終わって帰宅し、しばらくゆっくりしてから、23時以降に受けることが多いです。
2016年10月にはじめて、そろそろ2ヶ月がたちます。フリートークはまだ難しいので、まずは日常英会話の教材からやっています。きちんと継続していくためにも、その日のレッスンが終わったら、すぐに次のレッスンの予約をしています。
毎日受講できるプランで週に5回ぐらいレッスンをしていて、受講率8割を目標にしています。ただ長く続けるためにも気負わずに、今日は無理だなと思ったら休むようにしています。残業があることもありますし、たまには飲み会にも行きたいですしね。
まだはじめて2ヶ月なので劇的な変化はないですが、前よりも英語がすんなりと口から出てくるようになりました。レッスンの受講が途絶えれば話せなくなるし、続けていればできるのだということが、レッスンを2、3日休んだときに実感できます。まずは一つひとつ教材を進めていき、ゆくゆくは英語で自由にディスカッションできるようになりたいと思います。
30歳がいったん区切り。英語はそれからの自分のための準備
現在はアプリの制作だけではなく、開発の基盤を考えていくことも私の仕事です。そのため、世界の最新技術や、これから必要とされるであろう技術の情報を仕入れています。
まだ完全に内容を理解するのは難しいですが、積極的に海外のカンファレンス動画を見ています。
ひとまず「英語コンプレックスをなくす」という目標は達成できたので、次の目標として、半年後に海外のカンファレンスに参加したいと考えています。その頃には発表の内容を自分の耳できちんと理解できるよう、リスニング力を鍛えるつもりです。今は英語7割、技術3割。それくらい、英語学習に重きをおいています。
周囲には英語で活躍している人も多いです。通訳なしで長期海外出張に行っている人、海外のカンファレンスでスピーカーとして登壇している人。以前は英語を避けて仕事をしていこうと考えていた私ですが、今ではその人たちのようになりたいと考えてるようになりました。
今は技術1本でやっていてもいいけれど、将来的には英語は避けて通れません。それは、仕事の選択肢を狭めることにもなりかねません。それでは、いずれやりたい仕事ができなくなりますし、収入も先細りしてしまうでしょう。
必ずしも海外に行きたいという訳ではありません。ただ、世界中にある仕事の中から、自分のやりたい仕事を選びたい。せっかくチャンスを見つけても、それを阻むのが英語だなんて嫌です。そうならないように、今、英語を勉強すべきだと思っています。
30歳をひと区切りとして、それまでにどれくらいの準備ができるかが勝負。もちろん日々の仕事をしながら、技術の勉強・習得もしないといけないので、なかなかハードではあります。しかし、だからといって途中で英語の勉強をやめてしまったら、また再開するのは難しいですし、今までの努力が無駄になります。
今、28歳の私にとってあまり時間は多く残されていないですが、まずはできることをコツコツと地道に積み上げてきたいと思います。