2017.07.19

偏差値29だった英語でまさかの起業

学校で、パブで、留学先で、アウトプットし続けて身に付けた英語力

大森峻太さん (株式会社ジェイノベーションズ)
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留学推進事業やインバウンド事業(外国人観光客集客に対する飲食店などへのコンサルティング)などを手掛ける株式会社ジェイノベーションズの代表、大森峻太さん。毎週末、渋谷駅や原宿駅、京都駅などで訪日外国人の方へ英語で道案内や観光案内をする活動しているボランティア団体「Japan Local Buddy」の支援も行っています。今は多くの人を巻き込み国際交流の架け橋を作っている大森さんですが、昔は海外への修学旅行をサボろうとするほど海外への興味が無く、大学受験では偏差値29からの英語学習をスタートさせたそうです。最初から英語が好きでも得意でもなかった大森さんが、どのようにして英語力を身に付けてきたのか、お話を伺いました。

海外に目覚めたきっかけはオーストラリアへの修学旅行

少年時代からずっと、バスケットボール一筋の日々。地元でバスケの強い高校に進学し、キャプテンを務め、選抜選手に選ばれるなど日々は充実していましたが、勉強はまったくしていませんでした。
海外に興味を持ったきっかけは、高校2年生のときに行ったオーストラリアへの修学旅行。当日の朝まで、お腹が痛いと嘘を付いてサボろうとしていたくらい面倒だったのに(笑)、いざ行ってみるとあっという間にハマりました。海外の雰囲気、景色、「こんなにきれいな人がいるのか!」と美しい女性にも目を奪われたり…自分のまったく知らない世界を知ることができること、英語ができないなりに映画のような光景に触れることが本当に楽しかったのです。5〜6日間滞在しただけなのに、帰国した私が「将来、海外に住む」と言い出したので、親も驚いたことと思います。

偏差値29からスタートした英語学習

将来海外で暮らすために英語は不可欠なので勉強しようとするものの、帰国後はまた部活一色の毎日へ戻ってしまいました。真剣に英語と向き合い始めたタイミングは、部活引退後の大学受験のときです。私はそれまで、スポーツ推薦で進学をしようと考えていました。しかし、バスケで進学することはできても、プロのバスケットボール選手になろうという意気込みはなかった。それなら、海外で活躍できる仕事をしたい。そう思い、ニューヨークで記者をしている叔父に思い切って相談をしてみたところ、「海外で仕事をしたいなら、今のうちに英語を一生懸命学びなさい」と言われました。そして、内定が出ていた推薦を蹴ってそこから勉強を始めたのです。
大学受験には、国語・社会・英語の3科目が最低限必要です。国語はもともと成績が良く、暗記が得意だったので政治経済の点もすぐに上がりました。しかし、英語は高3の夏に受けたテストで偏差値29。マーク式のテストで、取ろうと思っても取れない点ですよね。be動詞から学び直さないといけないレベルでした(笑)。通い始めた進学塾でも、高校1年生の文法の授業に参加するところから始めたんです。

学校で、パブで、留学先で、とにかく英語を話し続けた毎日

受験勉強中に英語の点数がぐっと上がることはなく、英語の配点が低い大学にしか受かることができませんでした。それが悔しくてたまらなかったので、「絶対に英語を話せるようになりたい」という思いで、大学での英語学習の機会を最大限利用することにしました。ちょうど、通学制の英会話スクールが大学の空き教室を使って、ネイティブの先生による英語のレッスンを提供していたのです。年間10万円で、毎日英語のグループレッスンが受けられるというもの。最初は自己紹介からスタートして、道案内や入国審査のときに使えるフレーズなどを練習し、そこから少しづつステップアップしていきました。私は、学校の授業がある日はもちろん、無い日でさえも、このレッスンを受けるために毎日大学へ通いました。1時間のレッスンとは別にあったフリータイムにも通い詰め、とにかく先生とたくさん話して仲良くなったのです。他に、海外ドラマを見たり、パブに行ったりもしていました。パブでは、ドリンクを買うときに、フレンドリーそうな外国人の方が並んだらすかさず後ろに並び、声を掛けて会話することをひたすら繰り返す毎日でした。自分がフレーズに詰まって会話が途切れてしまったら、どのように返事をすればよかったのかをその日の夜に調べて、翌日学校で先生に相談してフレーズを練習。そして、夜にまたパブに行って覚えたフレーズを使ってみるということを繰り返していました。
また、大学2年の夏にカナダに留学したときも、とにかくみんなに話しかけまくろうと決意。最後には200人規模の学校のみんなが僕のことを知ってくれていて、他国の留学生の集まりに私ひとりだけ呼ばれるくらいに、仲良くなることができました。

有効だった学習法はフレーズの音読と実践

僕が実践したのは、「臆せず話すことを続ける」ということ。また、僕が支援しているボランティア団体「Japan Local Buddy」の参加者にもよくおススメしている方法がフレーズ集の音読です。これは、進学塾の先生が「音読」を推奨したことがきっかけで始めたのですが、本当に効果があると確信しています。僕自身、文法を覚えることがすごく苦手だったので、音読を通してとにかくフレーズを覚えました。1人で話しているだけではモチベーションを保つことが難しいので、音読して覚えた単語は翌日のレッスンやパブでのコミュニケーションの際にすぐ使っていました。毎日口に出すことで、すらすらフレーズが出てくるようになるんですよ。また、音読はお風呂でするのがおすすめです。お風呂は声が響くから自分の発音がよく聞こえるし、少し上手に聞こえるのでモチベーションも上がります。毎日お風呂にテキストを持ち込んで、お風呂の蓋の上にタオルを敷きそこにテキストを置いて、ひたすら音読していました。
もしかしたら「英語の発音を聞かれて“下手だ”と言われるのが恥ずかしい」と思う人もいるかもしれませんね。でも、語弊を恐れずに言うと、他人に対してそういうことを言う人は大体英語をしゃべれない人だと思うんです。頑張って英語を勉強して話せるようになった人はそんな事絶対言いません。だから、そんなことを言う人は放っておくに限ります!

仲間と環境をつくることで英語学習が加速する

英語を身につけるには、環境づくりが一番大切です。海外に興味のある仲間と出会うことができれば、英語でコミュニケーションを取ることや、留学することが当たり前のように感じられるようになり、行動へのハードルが下がります。海外に興味があり、英語を話せるようになりたいと思っているけれどどのように動いたらいいのかわからない方は、ぜひ一度、私たちが主催している国際交流イベントへ足を運んでほしいです。
また、英語学習においては、自分が楽しめるかどうかが何よりもまず大事だと思います。洋画を見るでも、洋楽を聞くでもいいので、自分の好きなものと絡めて勉強することを日常にしてみてください。

僕はとにかく人と繋がる事、そしてコミュニケーションをとることが好きです。その原動力が英語に、今の事業に繋がっています。これからもたくさんの人が海外と繋がるきっかけになれればと思っています。

株式会社ジェイノベーションズ
http://jnnovations.com/

英語ボランティア団体「Japan Local Buddy」
http://localbuddy.jp/

大森さんの留学相談(Twitter)
https://twitter.com/shunta719

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