2017.04.12

英語学習の機会は自ら創り出せる

子育て中は家で英語漬けの日々、英語サークルの立ち上げも

北川典子さん (営業事務)
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メーカーの営業事務職をされている北川典子さんは、趣味のスカイダイビングをきっかけに英語学習に力を入れ始めました。子育てや仕事を両立しながら、限られた時間や機会を最大限に使い英語学習の時間を確保してレベルアップしてきたという北川さんにお話を伺いました。

趣味のスカイダイビングで立ちはだかった英語の壁

短大では英語学を専攻して、言葉の由来を学んだり発音の系統を学んだりしたりしていました。TOEICを受けてはいましたが、短大を卒業する時の点数は世間並みで650点。卒業後は食品系の企業に入社し、英語を使える仕事ができればというぼんやりとした希望はあったものの、まずは現場に近い職場で働くことを希望し、積極的に海外関連の部署に手を挙げることはしませんでした。

働き始めて1年ほど経ったときに、友人に誘われてスカイダイビングをすることに。飛んでみると、あっという間にハマってしまい、それからは毎年3,回、1回につき1週間ほど仲間とアメリカに行き、スカイダイビングをしていました。海外は日本に比べてスカイダイビングに掛かる費用が格段に安いため、1回の渡航で50回は飛んでいました。

スカイダイビングを始めて4年目で、コンペティションに出場しようと組んだチームの仲間と一緒にアメリカでコーチを受けながらチームトレーニングをすることに。大会で入賞実績があるアメリカ人のコーチと知り合いのメンバーがいたので、コーチを頼って渡米。もちろん、コーチとの会話は英語。スカイダイビングは体やチームのフォーメーションの細かい動きがパフォーマンスを左右するので、指導される内容やこちらが聞きたい質問もかなり細かくなります。しかし、英語のリスニングもスピーキングもそれほどできなかったため、相手の意図が汲み取れなかったり、自分が聞きたいことがきけなかったりしました。それがとてもはがゆく、もっと英語を勉強しなければ、と思うようになりました。

産休・育休期間を活かして英語を猛勉強

当時はインターネットが発達しておらず、今のように気軽に情報が手に入る時代ではありませんでした。マイケル・クライトンやダン・ブラウンの小説やCNNイングリッシュの雑誌を読んだり、大統領の演説を聞いたりしながら勉強しました。お堅いテーマのものが多く、くじけそうな時も。そんな時、念願の子どもを授かりました。スカイダイビングはそこで中断し、出産と子育てでバタバタする生活に。英語の勉強からも離れていきました。

2人目を授かったときは、1人目のときに比べて余裕がありました。そのため、産休の時間を使って何かスキルアップを!と思い、英語勉強熱が再燃。海外には行けないけれど、そのぶん家で英語を浴びようと、NHKのラジオ英会話や洋画、海外ドラマを家で流していました。子どもにごはんを食べさせたり、おむつを替えたりしながらでも、音を聞くことならできるからです。また、聞いている中で出てきた、わからない単語は全部ノートに書き留めて、辞書で意味を調べていました。

でもこうしてインプットはできていたものの、アウトプットができていないことに物足りなさを感じ始めていたときに、偶然地元のフリーペーパーで見つけたのが、子連れOKの英会話サークル。国際結婚をされているご夫婦が運営されているものでした。友人を誘って、毎回ベビーカーを引いて週1回参加。これまでインプットしてきたものを出せる場があることが嬉しくて、アウトプットの重要性を実感しました。誘った友人はもともと英語に興味があったわけではなかったのですが、しばらく経ってからその英会話サークルについて「迷惑だったかな?」って聞いてみたんです。そうしたら彼女は「英語の勉強はそれまでほとんどしていなかったので、話せるかどうかドキドキしながらスタートしたけれども、少しでも英語を喋る機会ができて楽しかった!誘ってくれてありがとう。」と言われてとてもうれしかったです。

職場復帰後は社内で英語サークルを立ち上げて活動

育休中に英語の勉強に力を入れた結果、TOEICでは850点を取れるようになっていました。ぐんと点数が上がったことで自信が付いたものの、職場復帰してからは、また仕事と家事・育児の両立に追われて英語の勉強になかなか時間を割けませんでした。

このままではせっかく身に付けた英語力が錆びてしまう!と思い、会社の総務に掛け合って、昼休みに空いている会議室を貸してもらって、英語サークルを作って活動を始めました。毎週1回は、自分で探したアメリカ人の英会話講師の方に来ていただいて、最大3名でレッスンを受けました。また、月1回は10人ほどのメンバーで集まり、英語で話す機会を作ったりもしました。そのビルのトップである本部長が一度参加してくれたこともあったり、いろいろな部署のかたが参加してくれて、こんなに英語に興味を持っている人がいるんだ、とうれしくなりました。

個人的には、通勤時にウォークマンでディズニーを題材にした英語教材や、TOEICのリスニングパートを聞いていました。家にいると子どもにかかりきりになるので、すきま時間である昼休みに問題集を解いたり、駅から会社へ歩く3分間も無駄にしたくない、という気持ちでリスニングを。電車の中は吊革につかまりながら問題集を流したり、TIMEを読んだりしていました。TOEIC受験3ヶ月前は、昼休みと通勤時間を使って、単語・リーディング・リスニングのテキストをそれぞれ2周ずつしたり、公式問題集を直前に繰り返し解いたりしていました。

英語学習への熱意が上司に伝わり、国際的な業務の多い部署へ異動

その後、英語サークルを作って活動しているという話が上司の耳に入り、海外のグループ会社との連携が多い部署に異動することに。海外のグループ会社から来たメンバーに、勤怠や経費精算の方法を教えるアシスタント業務や、海外のお客様が参加するミーティング、フォーラムの運営のお手伝いなど、英語を使う機会の多い業務を任うことになりました。入社したころぼんやりと描いていた「海外関連の部署で働きたい」という夢が、20年たってようやく実現した、というわけです(笑)。

その頃は周りのメンバーがみんな英語に堪能で、同僚同士で英語でディスカッションをしている内容もまったく聞き取れませんでした。危機感を持ち始めた時に知ったのがレアジョブ英会話です。「在宅で好きな時間にレッスンが受けられるシステムだから便利」、と上司に勧められました。

レッスンは、子どもが起きる前の毎朝6時から受けています。お気に入りは「DAILY NEWS ARTICLE」。最初は、予習をして臨んでいたのですが、今はレッスンの25分間の中で、読みながら理解をする訓練をしています。また、先生から内容について質問をされた際、以前は文面から答えを探して話していたのですが、今は自分の言葉で回答するようにしています。

頑張りすぎず、楽しみながら細く長く英語学習を続けたい

ここまで継続してきた英語の勉強は、今後も細く長く続けていきたいと思います。だから、無理しすぎず、楽しみながら、「英語の漫画でもドラマでも英語フレーズ配信のメルマガでもいい。毎日たった数分間でもいいから英語に触れ続けよう」と自分に言い聞かせています。

東京オリンピックも2020年に開催されますし、子育ても手がかからなくなってきましたので、ボランティアとしてオリンピックにかかわったり、私が住む松戸市にある旧徳川家松戸戸定邸の観光ガイドのボランディアもできたらいいな、と夢をふくらませています。

——ありがとうございました。
ご自身で英語サークルを立ち上げたり、すきま時間を有効活用して英語学習を続けるなど、行動力と継続力が素晴らしい北川さん。スカイダイビングからスタートした英語とのかかわりが、2020年のオリンピックに繋がるなど、学習を始められた当初は想像もできなかったことと思いますが、自ら動き、継続することによって新しい可能性が生まれています。観光ガイドが実現されましたら、またお話を伺わせてくださいね。

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