「通訳案内士」という仕事をご存じですか?
「通訳案内士」とは、語学を用いて日本を訪れる外国人に有償で日本の観光地や文化などを案内できる職業のこと。現在は、英語、フランス語、スペイン語、中国語など、10カ国語が対象。2020年の東京オリンピック開催を前に、注目される資格のひとつです。
「通訳案内士」になるためには、日本の地理や歴史、産業、経済、政治などの一般常識や、外国語のコミュニケーション能力などを試験科目とした国家試験に合格しなくてはなりません。平成28年度に英語で受験した人の合格率は23.8%とかなり難易度の高い試験です。
今回の「WHY ENGLISH」では、会社員として働きながら、この「通訳案内士」の国家試験に挑戦、見事合格された古倉香織さんにお話を伺いました。
通訳案内士をめざして
——— 合格おめでとうございます。最初に古倉さんが「通訳案内士」をめざそうと思われたきっかけを教えてください。
以前、勤めていた商社では比較的英語を使う機会が多かったので、英語の勉強をしていたのです。英語でちゃんとコミュニケーションが取れたときはすごくうれしくて、日本のいいところを外国の人に紹介できたらもっと楽しいだろうなと思っていました。そんななかで、「通訳案内士」という職業を知って、資格が取れたらいいなと考え始めました。仕事も忙しくてそのままだったのですが、東京オリンピックが2020年に開催されることになり、「通訳案内士」がまた話題にのぼるようになってきて、改めて目指すことにしたんです。
今は勤めていますが、「通訳案内士」の仕事には定年もありませんし、自由に仕事ができるので、ゆくゆくは専業で働いていきたいと考えています。
——— 「通訳案内士」は、合格率の低い難しい試験だと聞いています。
実は、「通訳案内士」の資格試験を受けたのは今回で3回目なんですよ。留学したことはないですが、自分なりの英語学習法で、英検やTOEICのスコアを取得し、第1次試験には合格していました。でも、第2次試験で試験官とのやり取りがスムーズにいかず、去年も不合格だったんです。今年こそは合格したいと、レアジョブ英会話のレッスンを始めました。入会後は休まずに毎日レッスンを続けたおかげで、今年の第2次試験は合格できました。
——— お勤めされながら資格の対策をするのは大変ではありませんか?
レッスンは、仕事から帰ってきて、夜寝る前の時間に受けることが習慣になっています。もちろん、「疲れているから今日はやめようかな」と思うこともありますが、レッスンを受けないことにむしろ罪悪感を抱いてしまうんです。レッスンが楽しいことはもちろん、レアジョブ英会話は、都合が悪いときは直前でも時間を変更することができるのが、休まずに続けてこられた理由だと思います。
講師との会話を通して異文化への理解を深める
——— 今後「通訳案内士」をされていくうえで、レアジョブ英会話のレッスンが役立つことはありますか?
たとえば、お気に入りの女性の先生のひとりは、その日の出来事やフィリピン料理などについて話してくれるんです。この間は「今日は豚の丸焼きを食べたのよ」と言うので、「それはどんな料理?」と質問したら、写真を送ってくれました。日本と違うフィリピンの生活や文化に触れられることは、これからの「通訳案内士」として活動にするうえで、とても役に立つと思います。
——— なるほど。それをどんな風にお仕事に活かしていこうと思われているのでしょう?
たとえば、アメリカやイギリスの食べ物を説明するときには、日本とそれぞれの国の共通点や違う点を比較したほうが、外国人の方はイメージしやすいと思うんです。私が文化や歴史を紹介することで、少しでも「日本っていいな」と感じていただければうれしいですね。他にも、近い将来、外国人観光客を案内するときに活かせるように、テレビの歴史番組や旅番組を見て、少しずつ知識を蓄えるようにしています。
いつか外国人観光客を沖縄に
——— 古倉さんのお話を伺っていると、英語の勉強するのがちっとも苦ではないという印象を受けます。
英語の勉強を始めたばかりの頃はうまく会話ができませんでしたが、それでも通じたときは本当にうれしいですし、もっと伝えたくなっていきます。以前は、外国人に道を聞かれても、あっちって指を指すくらいしかできませんでしたけれど、最近は、自信を持ってちゃんと案内できるようになりました。そういうとき自分の英語力が伸びたなって感じます。
——— 「通訳案内士」として、外国人観光客に「日本のここはぜひ案内したい」という場所はありますか?
私自身が大好きな沖縄を案内したいですね。沖縄は、自然も素晴らしいし、食べ物もおいしいですけれど、一番の魅力は、人が温かく優しいことなんです。それをぜひ感じていただきたいなと思います。
——— ありがとうございました。
<古倉さんとお話しして>
英語が好きでたまらない、もっと話せるようになりたい。その気持ちが、毎日休むことなく英会話のレッスンを続けられてきた一番の理由でしょうか。それは、目指してきた「通訳案内士」に合格した今も同じです。日々進化する自分の英語力を実感しながら、古倉さんは今日もまた、パソコンに向かいます。
参照:
http://www.jnto.go.jp/jpn/projects/visitor_support/interpreter_guide_exams/exam_results.html