2017.03.14

海外で医療に携わる人々の活動を

学習のきっかけは英語を話せる人への憧れ

山本啓太さん (理学療法士)
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英語が話せるというのは、それ自体がとても楽しくて素敵なことです。英語を使って自分らしい「何か」ができたら、世界はもっと広がります。
今回の「WHY ENGLISH」では、今まで学んできた英語を駆使して世界を回り、医療の現場を訪問するという活動をスタートさせる、理学療法士の山本啓太さんにお話を伺いました。現在カナダに留学をしながら、今後理学療法士としての経験をもとに、たくさんの優れた医療従事者による取り組みの数々を世界中に発信することで、医療の発展に貢献したいそうです。

世界中の優れた取り組みを紹介

——理学療法士として多くの患者さんのリハビリに携わってきた山本さんが、世界に目を向けたきっかけはなんですか?
2015年に理学療法士の国際学会に参加して、世界各地で素晴らしい取り組みをしているセラピストたちのことを知り、現場で直接学びたいと思ったのがきっかけです。また、そういうセラピストたちの取り組みを世界中の多くの人に知ってもらい、共有できたら、より多くの人の役に立てるのではないかと思ったんです。ちょうど同じ頃に、ベトナムでの地域医療支援ボランティアに参加しました。しかし、現地の患者さんたちに対して何の役にも立てず、もっと勉強したいと思ったのも一つのきっかけです。今はカナダに語学留学中ですが、5月から世界の医療を見て回る旅に出る予定です。

「英語が話せたらなぁ」と中学レベルの復習からスタート

——英語の勉強は、その活動のために始めたのでしょうか?
いえ、英語を始めたきっかけはもっとシンプルです。20歳のときにインドで偶然出会った外務省で働く方の流暢な英語がとても格好良く思えたんです。あんなふうに話せたら、いろんな国に行ったり、いろんな人と話せたり、きっと楽しいだろうなと思ったんです。

——英語はもともと得意だったのでしょうか?
いいえ、20歳で英語学習を始めた時には中学レベルでした。そこから文法や単語の復習を始めました。社会人2年目の時にようやく資金的にも余裕が出てきたので英会話教室に通って、月4回、1時間のグループレッスンを半年続けましたが、いまいち効果が実感できませんでした。その後、レアジョブ英会話を見つけてやってみたんです。結果的には3年間利用しました。最初のうちは、いくら勉強しても上達しないと感じていましたし、録音した自分のスピーキングを聞いて「本当にしゃべれるようになるのかなぁ」とがっかりしたこともありますよ。

—それが今では、世界を旅するまでの語学力が身に付いたというわけですね。どんな勉強法だったのでしょう?
平日は理学療法士として働き、週末のほとんどは全国どこかの講習会に参加したり、友人と遊んだりという生活だったので、まとまった時間を確保するのは難しかったです。なので、レアジョブ英会話のほかに、通勤の片道1時間を利用して単語帳や洋書を読むなどの勉強も欠かさずやっていました。「ちょっとでもいいから毎日必ず勉強する」という方法ですね。そのうち、始めて半年程すると「ちょっと話せるようになったかなあ」と感じるようになりました。まさに積み重ねです。今の語学留学先はカナダのアルバータ大学のESLコースで、修了したら大学院に行けると言うプログラムです。レベルだけであれば大学院への進学も可能なくらい上達しました。今では英語でのプレゼンテーションなどもできるくらいです。

いよいよ5月から世界中の医療従事者に会われるという活動を始められるわけですが、どんな国のどんな人たちに会う予定ですか?
新興国、開発途上国を中心に回る予定です。最初に、台湾を訪問して、認知症高齢者のリハビリテーションにゲーム機を用いた太極拳プログラムを取り入れている理学療法士に会います。認知症リハビリの実践例として広く発信できればいいなと思います。

他にはどんな国へ行かれる予定ですか?
パーキンソン病患者のために、プロダクトデザインをしているデザイナーに会いに、インドへ行く予定です。この方が、デザインした”手が震える・足がすくむ”といった症状で生活に困難を感じている患者さんのための「こぼれないコップ」「錯覚の階段」などは、日本のパーキンソン病患者さんにもきっと役立つと思います。
それから、エチオピアで活動している理学療法士にも会います。その地域では、子どもに障害があっても親はなかなか病院に連れていきたがらず、初診時の平均年齢は13歳だったそうです。それが、彼が地域の保健師やセラピストに対して講習会を行った結果、6.5歳にまで下がったんですよ。その地域に合わせて、周囲の環境から変えていく、いわゆる「地域に根ざしたリハビリテーション」ですね。日本のJICAボランティアなど海外で働く医療従事者の参考になると思います。
ほかにもたくさんの国でできるだけ多くの人に会い、世界一周どころか、2周も3周もしたいですね。

学んできた英語と、理学療法士としての経験を一本化

英語学習のきっかけはシンプルでしたが、今はスケールが大きいですね。
ええ、本当にきっかけは「旅が楽しくなれば」「世界中に友達ができれば」というものでしたが、それと理学療法士としての経験とをひとつにしたら、多くの人の役に立てるんじゃないかということに気付いたんです。本格的に活動を始めるのは5月からですが、もちろん英語でも発信していくつもりです。私の活動が多くの人の役に立てたら、とても嬉しいですね。

——ありがとうございます。応援しています!
「英語がしゃべれたらなあ」とは多くの人が思うこと。山本さんもそこからスタートしましたが、「しゃべれるようになって終わり」ではなく、さらに一歩前進しているところがすばらしいと感じました。目的は「英語ができるようになること」ではなく、あくまでも「英語を使って人の役に立つこと」。山本さんが発信する、世界各地の医療従事者たちの素晴らしい取り組みが、世界中に届きますように。

理学療法士の山本啓太さんのブログ
『旅するフィジオ!27歳理学療法士の世界の医療を巡る旅!』:
http://keitapt.com/

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